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オペラ「ピーター・グライムズ」

2012/10/09

新国立劇場でオペラ「ピーター・グライムズ」を見る。演出といい、演奏、出演者など、今まで見たオペラの中でも最高の部類にはいる感動作。
イギリスオペラを打ちたてたベンジャミン・ブリテンの作品。イギリスの田舎の漁師村。そこに荒くれで嫌われ者のピーター・グライムズがいた。彼は使っていた徒弟を事故で死なせてしまう。しかし村人は彼が殺したと心ない噂を立てて、彼を疎外する。
僕には、彼が少年愛の異常者に思われているように思えた。彼は、村人を見返そうと思う。彼を理解する人の協力で再び少年の徒弟を雇うことができる。とろこが再び彼はその少年を事故死させてしまう。人殺しとののしりながら村人は彼を追い詰める。錯乱していく彼・・・。悲劇の最後には、村人は何もなかったかのように日常を取り戻す。
「私を侮辱する者は、私が滅ぼす」と村人が彼を追い詰めるところなどは、なんとなく中国の尖閣デモを見ているようで気持ちが暗くなる。
人間の深い悲しみを描き切った素晴らしい舞台だ。