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福島原発

J-ノベル(実業の日本社)に原発の小説を書いている。スクラム!と言うタイトルだ。
それで少し原発のことを勉強した。取材にも行った。
原発は、多重防護ということで「止める」「冷やす」「閉じ込める」の三つの考え方で放射性物質を外に出さないようになっている。
止めるは、地震が起きると、制御棒を炉心に強制的に挿しこみ核反応を止める。
核反応は燃料のウラン235が中性子と反応して起きるが、その中性子を吸収してしまうのだ。
この止めるは上手く行ったようだ。だから基本的に核反応は止まったのだろう。
しかし、その後高温になった炉心を100度くらいまで冷やさなければならない。これは循環の冷却水や海水などを使って行い、それでも下がらなければ強制的に蒸気をフイルターで濾した後外部に放出する。これはエマージェンシーコアクーリングシステム(ECCS)という。今回、これがうまく機能しなかった。耐震構造や、それに対する対処は出来ていたとしても津波などで海水を大量に被り、電源や途中の回路に異常をきたしたのかもしれない。原因を追及しなければならない。
それでも炉心は、圧力容器(厚さ16センチの鋼鉄)、格納容器(暑さ3センチの鋼鉄)、原子炉建屋(厚さ1から2メートルのコンクリート)、その前に燃料はペレットという陶器のように焼き固め、ジルカロイ製の被覆管に入っている。
炉心溶融が起きたと言うが、事実なのか。どの部分が溶けたのか。建屋の天井が飛んでいるが、天井は構造的に弱かったのか、1から2メートルのコンクリートの壁だったのかなど、疑問は多い。日本は、どこに原発をつくっても断層の上になるが、耐震性については高度な技術を持っている。実際、この近くの女川などの原発は何事もない(東通原発は点検で運転休止中)。
東電や保安院は、多くの人の不安を除くために、何が出来て、何が不足だったのかを早期に、小学生が理解できるほどの優しい言葉で説明するべきだ。専門家がいろいろ言うが、どれここれも結構難しい。