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原発の職員からのメール

お疲れ様です。
連日、災害対策本部でお忙しくてメールなど見てる余裕もないと思いますが、
差し当たって今の発電所の現状をお伝えしたく、メールを差し上げます。

この度の震災以降、私たち発電所の人間は連日不眠不休で復旧作業にあ
たっています。震災から約2週間が経過し、1Fもだいぶ収束に向かい、この
まま冷却がうまくいってくれることを願うばかりです。

ご存知のとおり、1F、2Fに働く所員の大半は地元の住民で、みんな被災者です。
家を流れされた社員も大勢います。

私自身、地震発生以来緊急時対策本部に缶詰になり、毎日不眠不休でみんなと
戦っておりますが、個人的には、実家が浪江町の海沿いにあるため、津波で町
全体が流されました。
実家の両親は津波に流され未だに行方がわかりません。
本当なら、すぐにでも実家のあるところに飛んでいきたい・・・
でも、退避指示が出ている区域で立ち入ることすらできません。
自衛隊も捜索活動に行ってくれません・・・
こんな精神状態の中での過酷な労働・・・もう限界です!

今回の地震は天災です。でも、原発による放射性物質の汚染は東電がこの地に
あるせいです。
地元住民の感情は、今じゃ地震すらも東電のせいだと言わざるを得ない勢いだと
思います。
みんな故郷を離れ、いつ戻れるかどうかもわからない状況で、不安を抱え怒りを
誰にぶつけてよいのか分からない!それが今の現実です。
これから、新学期を迎えるにあたって、地元の子供たちは避難地区に転入せざる
を得ないでしょう・・・みんな家も仕事も学校も友達も家族も全部失ってしまいました!
こんな現実を誰が耐えられるのでしょう・・
どうか、この現実を社内外に届けてください。

原子力の人間が悪い訳ではありません!誰が悪い訳ではありません!
この発電所にいる人間の大半は地元の人間で、私も含めてみんな被災者なのです。
被災者である前に、東電社員としてみんな職務を全うしようと頑張ってます。
特に2Fは、自分たちのプラントの安全性の確保の他に、1F復旧のサポートも
同時にやっていた状況で、現場はまるで戦場のようでした。
社員みんな心身共に極限まできています。どうかご理解下さい。

これから会社も、会社そのものの存続がかかれば、原子力を切り捨ててしまうかも
しれません。
でも、私たちは最後まで戦います!
本店からもご支援下さい。よろしくお願いします。