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腐蝕の王国 (幻冬舎文庫)

2015/10/10

腐蝕の王国
幻冬舎

左遷寸前の西前は、上司・藤山の愛人の子の中絶を任されて以来、藤山と固い主従関係を結ぶ。不良債権の隠蔽、責任の押しつけによるライバルの追い落とし、官僚への接待漬けでの情報収集などで、二人は行内の熾烈な出世争いを勝ち上がっていくのだが――。バブル前夜から銀行大合併までの金融界の内幕を生々しく描いた金融エンターテインメント。

新刊 退職歓奨

2015/09/26 ,

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退職を前向きに捉える8つの人生です。

退職歓奨 (実業之日本社文庫)

2015/09/26

退職歓奨
実業之日本社

人生にリタイアなんてない。
組織に残る者、離れる者、50代後半の男たちの前を向く群像を描く8編。

【目次】
■「耳したがう」
中堅プラント会社常務の島田は、社の合併をめぐって、派閥争いに巻き込まれた。
島田の盟友であった諌山社長は、大手重工業との合併を推進。
対する会長始め多数派は合併反対であった。
島田は若い頃、諌山らとミャンマーの発電所建設に携わり、現地で感謝されたことに思いを馳せる。
役員会議合併採決の席上、島田が選んだ予想外の決意は……。

■「おうちに帰ろう」
メガバンク広報部部長に抜擢された与野。頭取の奥平は、
緻密で威圧的で、ストレスなしに仕えることができない人物だ。
そこへ、ある記者が奥平の背任横領につながりかねない記事を与野へつきつけてきて、
ついに記者会見を開かざるを得なくなり……。

■「紙芝居」
銀行を早期退職した加治木は、関係会社でポストを得た。
それはかつての部下を勧誘する保険の仕事だった。
セールスに飽きた加治木が浅草の屋台で飲んでいると、知り合ったばかりの老人から……。

■「ゆるキャラ」
チンドン屋のウサギキャラクターの“中の人”が坂上の現在の仕事だ。
坂上には、電機メーカー人事部長として、自殺者まで出し、
苦しくも100人のリストラを決行せざるを得なかった過去が……。

■「夫、帰る。」
夫の「私」は長年の海外勤務を終え、定年になったところで、妻から離婚を切り出されてしまった。
妻の「私」は、海外の仕事ばかりで家庭を顧みない夫に愛想をつかしていた。
すれ違う夫婦にあって、息子から両親への思わぬ提案は……。

■「ハローワーク」
高卒で勤務した信用金庫支店長の佐山は、無事に定年退職の日を迎えた。
家にいてほしくない妻の要請から、人材バンクへと赴く。
支店長という経歴もあるのだ、再就職先も問題ないはずだが……。

■「私の中の彼女」
銀行常務を務め、子会社の人材派遣会社社長に順当に就任した「私」。
子供たちは独立したが、帰宅すると急逝した妻を忘れられずにいる日常だった。
その日、お決まりのように採用面接者に会った私に衝撃が……。

■「跡継ぎ」
地道に銀行支店勤務を続けてきた北島は、49歳で執行役員内示を得た。
周囲は歓迎だったが、三代続く実家の老舗豆腐店が、父親の代で終わりになりそうなのが心残りだ。
だが父が急きょ倒れ、北島は家族に対し……。

新刊 抗争 巨大銀行が溶融した日

2015/09/12 ,

9784022513113

抗争 巨大銀行が溶融した日

2015/09/12

抗争 巨大銀行が溶融した日
朝日新聞社

2011年3月、東日本大震災義捐金振込の集中により、ミズナミ銀行ATMに巨大システム障害が発生した。頭取の八神は責任を取って辞任に追い込まれる。太洋産業銀行、扶桑銀行、日本興産銀行の3行が合併して誕生したミズナミ銀行は、それぞれが派閥を形成し信頼回復そっちのけで主導権争いを展開していた。やがて系列のクレジット会社による暴力団不正融資が発覚、コンプライアンス統括部次長の橋沼康平と警視庁組織犯罪対策部の齊藤弘一は真相解明に動き出す。その直後、コンプラ統括部の北沢敏樹が何者かに刺殺された。手口の鮮やかさからプロの犯行と思われたが……。システム障害、暴力団不正融資、行員刺殺事件、社内闘争に明け暮れる経営幹部たち――元みずほ銀行マンの著者が日本組織の病巣を深くえぐる傑作長篇ビジネス小説!!